老舗企業のM&A事例10選

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M&Aというと大企業が行うイメージがあるかもしれませんが、事業の譲受によりスピード感を持ってビジネスを展開したり、譲渡により後継者不在の問題を解決するなど、老舗企業・ファミリー企業でも様々な目的のためにM&Aが行われています。

実際に「どんな企業がM&Aを行っているの?」と事例を確認したい方もいるでしょう。

M&A事例を10選紹介していきます。

 

成果の上がった老舗企業のM&A事例10選

 

事例1 株式会社ふなやす

株式会社ふなやすは水源に含まれた岐阜県の地で川岸のフナの仲買を営んでいました。しかし、フナが売れなくなってからはブライダルの事業を手がけるなどして仕事の形態を変えていき、今は葬儀会館の運営をメインにお弁当の品出しや製造、販売を行なっています。

さらに事業の拡大やクオリティの向上を図るため、ギョウザの製造や販売事業を営むメーカーをM&Aにより引き継ぎました。食品を扱う資格や十分な広さの調理場、人材に惹かれてM&Aを行い、飲食の幅をさらに拡大することができたようです。

結果として飲食店事業のスタートも検討できるまでになりました。

事例2 藤桂京伊株式会社

藤桂京伊株式会社は、愛知県を中心に東海地方でお酒の専門チェーン店を展開している会社です。お酒の専門店としての事業が中心でしたが、M&Aによる他業種への進出を考えました。

そして、愛知県内の人気スーパーの買収を行い、事業の多角化と併せて取り扱い商材の拡大や価格競争力のある仕入れノウハウの獲得にも成功しました。

また、本社の幹部人材にグループ会社の経営を経験させることで人材の育成にも活かすことができました。

事例3 有限会社又一庵

又一庵は老舗の和菓子店であり、きんつばなどは静岡県の地元で愛され続けています。しかし、近年はコンビニのスイーツのクオリティが上がってきており、顧客が離れて苦しい経営となっていました。

そのため、M&Aにより事業の改善を行うことを決断しました。M&Aにより会社は吸収合併されましたが、経営体制や人員の大幅な削減などはなく、課題のピックアップや改善指導をビデオ通話の役員会議や合同会議で連携するようになりました。

M&Aにより経営改善を行うことができ、約3ヶ月で黒字回復することができました。

事例4 藤清グループ

藤清グループは豆乳や湯葉の製造を行っている会社です。経営は順調でしたが、後継者がいないためM&Aで事業を引き継いでくれる人を探すことになりました。

結果として、M&Aで月桂冠が引き継ぐことが決まり、藤清グループの株式98%を譲渡する形で歴史ある会社を存続させることに成功しました。

M&Aにより後継者不在問題を解決することができました。

事例5 株式会社笹屋昌園

この会社は老舗の京菓子屋です。通販の拡大や百貨店との取引開始により売り上げを順調に拡大していましたが、それを支えていた幹部社員が会社から去ってしまい、今後の拡大に不安を感じていました。

そのため、M&Aを行って買い手候補を探して頼れるパートナーを探すことに決めました。M&Aによって見つかった買い手は大手取引先との付き合いの経験などもあり、ノウハウを得ることができたため事業をさらに拡大させることができました。

事例6 織田商事株式会社

この会社は木材を扱う会社です。DIYを日本の文化にするというビジョンを掲げており、DIYの浸透を目指しています。しかし、ネット通販などで木材を売っていますが、利益が落ちており、木材業界全体の競争も激化しています。

そのため、M&Aによる吸収合併で再起を図ることを決断しました。M&Aによる成果は長期的ですが、従業員も納得して仕事をしており、今後の成果に期待することができます。

事例7 大正製薬株式会社

大正製薬も2016年にM&Aを行いました。大正製薬はドクタープログラムを買収して消費者の健康維持を目的としたセルフメディケーション事業の成長を行いたいと考えていました。

スキンケアの事業を拡大させるためにドクタープログラムを買収して、短期間で販売網やノウハウの共有によるシナジー効果を得られました。この成果で売上を2年間で1億円以上出すことができM&Aの成功事例となりました。

事例8 株式会社りそな銀行

りそな銀行は、M&AによりシンガポールのAFC Merchant Banの買収を行っています。りそな銀行が買収を行ったのは日系企業に対する東南アジアでの金融サービス提供のためです。

東南アジアまでサポートが行き届いていなかったりそな銀行は、シンガポールを中心に金融サービスの提供範囲拡大を行うため、AFC Merchant Bankを買収しました。このM&Aにより、りそな銀行は日系企業の東南アジア進出支援というサービスを提供できるようになりました。

事例9 ソニー株式会社

ソニーは2017年にアメリカのFunimationという会社をM&Aにより買収しました。このときの買収の金額は約165億円と言われており、会社の全体95%を買収することになりました。

ソニーがM&Aによって買収を行ったのはアニメ配信の増加を行いたかったからです。買収したFunimationは様々な媒体でアニメ配信を行なっており、プレイステーションやGoogle・play、Amazon APPsなどのモバイル端末で視聴できるようにしました。

この媒体を利用してサービス利用者を増やせると見込んだソニーはFunimationを買収してデジタルチャンネルのサービス強化を図ることができ、顧客の数を増やすことに成功しました。

事例10 住友重機械工業株式会社

住友重機械工業はM&AによりイタリアのLafertという機械メーカーを買収しました。住友重機械工業は顧客満足度の向上を目指してヨーロッパ市場の強化と技術の共有によるエナジー効果の獲得を行いたいと考えていました。

Lafertはヨーロッパの広大な市場で顧客との強いつながりを形成しており、顧客の求めに応じたカスタム商品を提供できる技術力を持っていました。そのため、子会社とすることで満足度の高い製品や機器の提供とヨーロッパにおける事業拡大の2つの成果を収めることに成功することができました。

 

老舗企業のM&Aのまとめ

 

老舗企業の中にはM&Aを積極的に行い事業の拡大や後継者の引き継ぎ、ノウハウの獲得など、いろいろな成果を得ています。M&Aは吸収合併というイメージが先行して手を出しにくく感じるかもしれませんが、M&Aにより再起を果たしている老舗企業の事例は多くあります。

ぜひ、M&Aを選択肢のひとつとして検討してみてください。

 

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