老舗企業と大企業のタイアップ事例(蔦屋書店と中川政七商店)

近年老舗企業と大企業のタイアップ・コラボという事例が急速に増えています。

伝統と格式を重視する老舗企業に対して、大量生産・再現性による安定した利益をあげることが目標になりがちな大企業は水と油の関係に思え相性が良くないのではないかと思われがちでしょう。

しかしそういった相反する企業文化を持った両者がコラボレーション・タイアップすることで大きなシナジーが生まれる可能性があるのです。

そこで今回は老舗企業と大企業がなぜタイアップ・コラボレーションをするのかを解説したのち、実際に老舗企業と大企業がタイアップした例である「蔦屋書店と中川政七商店」の具体例を紹介していきます。

 

なぜ老舗企業と大企業がコラボレーション・タイアップするのか

 

少し上記でも触れたように、水と油のように相反する性質を持つように思える老舗企業と大企業がなぜコラボレーションやタイアップをするのでしょうか。

大企業は大企業であるがゆえのジレンマを抱えています。

大企業では安定で継続した利益をあげるのが最大の課題です。そのため規則やマニュアルによってガチガチに固められ、誰であっても再現することができる「再現性」の高い事業を生み出すことが何よりも重要。

そのため大企業では各申請のあるアイディアなどが生まれたとしても、そう易々と実行に移すということが難しいのです。

革新性があったとしても、失敗すれば株主などの非難は避けることができませんし、関連企業に対しての影響も大きいので、失敗しない可能性の高い事業を選ぶ必要があります。

これが大企業が大企業であるがゆえのジレンマです。

 

ジレンマの解決策とは

 

こういった大企業のジレンマを解決するための策として行われているのが、他の会社とのコラボレーション・タイアップになります。
大企業は新しい試みを採用するのは難しいですが、一方豊富な資金やリソースを有しているのが特徴です。

資金やリソースを活用することで、老舗企業やベンチャーとコラボレーション・タイアップをすることで、新たな事業や商品、サービスを生み出すことが可能になります。

こういった背景から大企業は老舗企業などの他企業とコラボレーション。タイアップをする事例が増えているのです。

 

老舗企業の可能性を発展させるコラボレーション・タイアップ

 

一方で老舗企業の方はどうなのでしょうか。

老舗企業には長い歴史の中で積み重ねてきた技術や伝統があります。しかし大企業と比べると認知度・再現性の低さがネックとなり、なかなか世間に知られず埋もれてしまっている企業が多いのが現状でしょう。

老舗企業特有の伝統工芸や技術が世間に知られることなく、後継者の断絶により無くなってしまうのは現代社会が抱えている大きな問題の1つです。
そんな認知度・後継者不足という状況を解決するのに有効な手段が大企業とのコラボレーション・タイアップになります。

優れた歴世的価値や技術が大企業の持つ資金やリソースと混ざり合うことで、新たな価値や事業を生み出すことができるのです。

特に大企業の有している環境やリソースに老舗企業の技術や伝統が混ざり合うことで、新たな価値を生み出した良い具体例が「蔦屋書店と中川政七商店」のタイアップになります。

 

大企業と老舗の混ざり合い「蔦屋書店と中川政七商店」のタイアップ

 

蔦屋書店は書店などの事業を中心とした大企業の1つです。
一方で中川政七商店は1716年に奈良県にて創業された、手編み手織りの麻織物を中心とする伝統工芸技術を活かした商品を数多く生み出している企業になります。

こういった全く関連性のない老舗企業と大企業がなぜタイアップをしたのでしょうか。

 

ライフスタイル空間提案の蔦屋と伝統工芸の中川政七商店

 

蔦屋書店ではライフスタイル空間の提案をコンセプトに、書店としての機能だけではなく人生を豊かにするためのライフスタイル空間を消費者に提供しています。

書店だけではなくライフスタイルという多様性のある空間を提供することで、様々な側面から消費者に対してアプローチをかけることができ、書店としての役割しかなかった従来の書店に新たな価値を加えました。

こういった蔦屋書店の取り組みとタイアップしたのが伝統工芸技術を活かした商品を生み出し続けている老舗企業である中川政七商店です。

中川政七商店では日本の工芸元気にというコンセプトを元に、全国各地の工芸商品を展開しています。
伝統工芸という歴史のある中川政七商店の特徴と、ライフスタイル空間の提供という蔦屋書店のコンセプトが混ざり合い「工芸・書店一体型店舗」が生まれたのです。

 

工芸・書店一体型店舗で新しい文化を生み出す

 

この工芸・書店一体型店舗では、蔦屋書店のフロア内に、中川政七商店の売り場を展開しています。

日本の工芸に基づいた衣食住に関する商品が並ぶ中、カフェなども併設されており、本・コーヒー・伝統工芸を楽しむことができる新しい文化的な施設に仕上がっているといっていいのではないでしょうか。

ライフスタイル空間を生み出す蔦屋書店によって、伝統工芸品に彩られた施設が作り出されることにより、老舗企業の新しい価値の創造にも繋がっています。

大企業だけでなく老舗企業の認知、発展の拡大に繋がる素晴らしいタイアップの具体例なのではないでしょうか。

■中川政七商店 奈良 蔦屋書店
所在地:奈良県奈良市三条大路1-691-1 1階
TEL:0742-35-3211
URL:https://www.nakagawa-masashichi.jp/staffblog/store/s164004/

新たな価値が生まれる老舗企業と大企業のタイアップ・コラボレーション

 

相反する性質を有しているようで、混ざり合うことで新たな価値を生み両者に大きな利益をもたらす老舗企業と大企業のタイアップ・コラボレーション。

今回は蔦屋書店と中川政七商店の具体例を紹介しました。特に様々な問題を抱えている伝統工芸を中心とした老舗企業が、大企業と混ざり合うことで新たな価値を生み出しているのはタイアップの結果として最高といえるでしょう。

閉塞感を感じている老舗企業と既存の事業に新たな価値・変革をもたらした大企業のタイアップやコラボレーションは今後もますます増えていくのではないでしょうか。

 

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