毎日大きな変化が起きている中で、企業としてもどういった動きをしていけばいいのか難しい現代社会。
会社という大きな集合体を導くためにも、一定の道標や目標となるものが重要になってきます。
そんな目標や道標として有用なのが「経営計画書」です。
経営計画書を作成することで、企業として方針や動きをある程度作ることができることはもちろんのことですが、予測不可能な事態が起きたときに対応するための一定の基準にする事もできます。
もっとも実際に経営計画書がどういったものなのか分からないといった方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は経営計画書についていったいどのようなものなのか、作るときはどうすればいいのかについて詳しく解説していきます。
経営計画書とは、企業が事業を行うにあたってどのように経営をすればいいのかや、全体の目標は何かを定めるためのものです。
激しく情勢が変わる現代社会において、企業が成長して生き残っていくためには欠かすことのできないものといえるでしょう。
私達個人が目標がある場合とそうでない場合は、具体的にどのように動けばいいのか変わってくるくらいなので、ましてや会社という人の集合体が何も定めずに経営を進めていくことには無理があります。
目標をしっかりと定めて、人材・予算・資産をどのように集め使っていくのかを計画することによって初めて最大効果で企業の経営を進めていくことができるのです。
上記でも紹介したように経営計画書というのは、企業が今後どのように動いていくべきなのかを明確化することを手助けするものになります。
もっとも果たす役割はそれだけではありません。対内的な効果はもちろんのことですが、経営計画書をしっかりと作成しておくことで第3者から見ても、その企業の今後の動きを把握することができるでしょう。
経営計画書を詳細に作っておくことで、後に投資家からの投資や銀行からの融資を受けやすくする効果を狙うことができます。
実際に経営計画書を作成するにあたっては、事前に確認しておきたいポイントが4つあります。
・自社のことを知る
・競合他社を知る
・目標を定める
・を達成する手段は何かを明確化する
以下でそれぞれについて詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。
経営計画書を作るにあたっては、まず何よりも自社のことを詳細に知っておく必要があります。
自社の強いところはどういったところなのか、逆に弱いところは何か、経営資源はどれくらいあり使うことができるのはどのくらいなのか、など把握しておきたいことは様々です。
自社の詳細な分析を終えたら、次に競合他社のことを分析しましょう。
経営計画を明確化するには、競合他社を知り自社と比較することが重要です。
ある企業を目標としてそこを目指すのか、もしくはライバル企業に負けない経営をしていくのかなど考えなければいけない事は無数にあります。
自社と競合他社をしっかりと分析して、自社がどのように動いていくのかをより明確化させましょう。
経営計画書において1番重要なのが、企業の目標をどういったものにするのか定める事です。
短期目標から長期的な目標(3~5年)まで定めておくことによって、それに必要なことが何かを明確化することができます。
そのため目標はできるだけ具体化することがおすすめです。目標の売上・店舗の数・従業員の数など数字化することで、その目標に向かって動き出すことができるでしょう。
1度目標を立てたら随時修正を加えながら、事業を進めていくことができれば、成功・失敗した際に何が良くて何が悪かったのかも分析することができるでしょう。
1番最後に目標を達成するための手段を明確化しましょう。
1番最悪なのは手段が目的化してしまい、何も進めることができずに終わってしまうことです。
これをしてしまうと、後に何が悪かったのか分析しても、何もやっていないに等しいので意味がなくなってしまうでしょう。
そのため目的を達成するための手段を明確化して、手段を目標としてしまわないようにすることをおすすめします。
以下では実際に経営計画書を作るにあたって、利用したい項目を紹介していきます。
もっとも前提として、経営計画書を作成する前に上記で紹介した4つのポイントを抑えて準備しておくことが重要です。
企業の進めていきたい事業のプラン |
何をしていくべきなのか・計画するのかを明確化するために必要。 |
事業の詳細 |
どのような市場で、ターゲットは誰に対して行っているのか、商品・サービスは何を推していくのか決める。 |
マーケット規模 |
会社が行っていく事業のマーケット規模はどれくらいのものなのか、同業他社や自社の規模などがどれくらいかを調べる。 |
自社の強み |
マーケットにおいて存在する、同業他社と比較しても負けないであろう強みを明確化する。 |
事業プロセス |
仕入れ〜購入まで、どのように消費者に認知させて販売を行えばいいのかを分かりやすくする |
事業プラン |
企業が事業を継続して行うために、システムを作って一本化を図る。 |
リスクや問題 |
経営計画書を作成するにあたっての時点で考えられうる全てのリスクや問題点を事前に明らかにしておく。 |
資金 |
企業を継続していくにあたって、資金をどのようにするのか決める。 例えば企業としては当たり前の収支を明確にすることから、投資を受けるのかどうかなどを決める。 |
経営計画書を作成するにあたっては、いくつか抑えておきたい注意点が存在します。
経営計画書は1度完成したらすぐに第三者に見てもらいましょう。
なぜなら自分では最適の物を作ったとしても、他人の視点から見ると無理なものや矛盾しいている点が含まれている可能性があります。
経営計画書がしっかりしているという事は、第3者から見るとそれだけその企業がしっかりとしているのだという印象を与えることができるでしょう。
それにより投資や融資を受けやすくする事もできるので、一旦できた計画書は第3者の視点を取り入れて修正を加えることをおすすめします。
計画書を誰に見てもらうのかによって、何を重視すべきなのかが大きく変わってきます。
例えば銀行の融資を受けたい場合には、企業の売上の数字の正確さや事業の継続性の有無などを集中的に見られるでしょう。
そのため曖昧な表現はできるだけ避けて、数字や実績を淡々と並べていき信用できる企業であるかどうかを金融機関にアピールする必要があります。
一方で投資家などに投資を受ける際には、企業としての成長性や収益性を強調することで、投資をして大きなリターンを受けることができるかどうかという点をアピールしなければいけません。
誰に見られるかによって大きく変更を加える必要があるので、計画書は誰に向けて作るのか想定しながら作成するといいでしょう。
今回紹介したように経営計画書は、企業の目標としてどのように動いていけばいいのか道標になる役割を果たします。
計画書がずさんで適当なものであると、将来的な企業の成長は見込めることができずに、投資や融資を受ける事もできないでしょう。
そのため経営計画書を作成する際には、きちんとしたものを作ることを意識しなければなりません。
企業の行く末を左右しかねない経営計画書。まだ作成していないという事であれば、これを気に1度見直してみてはいかがでしょうか。