会社経営において重要なものの一つが経営理念です。
経営者によって考え方は異なり、経営理念は必要ないと考えている人もいます。しかしながら、成功している企業の多くは経営理念を掲げています。
この記事では、飲食業界の7つの大企業が掲げる経営理念を紹介しました。それだけでなく、経営理念を掲げるメリットも紹介しておいたので是非ご覧下さい。
経営理念とは、会社を経営する上で起きる様々な意思決定の方向性を明確にする為の文言になります。
例えば、従業員それぞれが違う意思決定を行なっていると、会社としての一体感が失われてチームワークに影響が出るでしょう。
経営理念によって会社の方針を明確にしていることで、従業員が迷わずに意思決定を行うことが可能です。会社を運営すると多くの意思決定があるので、従業員が迷わないで良いように経営理念は明確にしておきましょう。
「経営理念」と「企業理念」を同じように考えている人も多いですが、少しニュアンスが違うので確認しておきましょう。
企業理念は、社会に対して会社の存在意義やイメージを表す文言になっていて、経営する上での意思決定の考え方とは異なります。
先ほどは経営理念について詳しく解説しました。次は経営理念を定めるメリットを紹介していきます。
これから会社を設立したいと考えている人は、経営理念を作るメリットを把握しておきましょう。
経営理念は会社の「考え」や「方向性」を明確にするので、意思決定が簡単に行えるようになります。
会社の方向性が定まっていなければ、意思決定の際に個人の主観が入るので、意図している結果にならない可能性が高いです。何かしらの意思決定をするタイミングで部下が社長に確認を取っている企業も一定数ありますが、それだと事業がスムーズに進みません。
これから会社を始めるのであれば、方向性を明確にできる経営理念は絶対に必要です。
経営理念が定められていれば、それに共感する人材を採用することができます。
自社の経営理念と違う考えを持っている人材は、そもそも面接に来る可能性が低いですよね。仮に面接に来たとしても、意見が食い違うので人事部が採用しないでしょう。
自社の理念と同じ考えを持っている人材を採用できれば、同じ方向を向いて仕事ができます。言い換えると、自社の理念と全く違う考えを持っている人材は、考え方から変える必要があるので育成コストが大きいですよ。
経営理念によって会社が存在する意義を、社員に伝えることができます。
日本には多くの企業があって、自社のサービスと同じような事業を展開している会社も多いです。しかしながら、同じようなサービスでも「提供している意図」や「サービスの価値」は異なります。
経営理念を定めることで、自社のサービスの意図や価値を表すことが可能です。
「低価格で地域に密着したWEB事業を展開して、地域活性化につなげる」
上記のような経営理念があれば、「特定の地域に強いWEBの事業を低価格で展開して、地元の会社にWEBを使って貢献する企業」と簡単にイメージできるでしょう。
従業員も上記の経営理念があれば、会社にどのような存在意義があって、地域活性化の為にWEBでやるべきことを考えます。
様々な業界の企業が掲げている経営理念ですが、冒頭でも紹介したように本記事では飲食業界の大企業の事例を紹介していきます。
飲食業界の大企業が定めている経営理念を知って頂いて、自社の経営理念を決めていきましょう。
上記がマクドナルドの掲げている経営理念になります。
実際にマクドナルドは、お子様世代からおじいちゃん世代まで幅広く愛される企業になりました。低価格で利用しやすいマクドナルドは、2020年の12月に発表された第3四半期決算で売上高が2134億6700万円と発表されています。
コロナウイルスの状況で多くの飲食店が苦境を迎えている中、マクドナルドは「デリバリー」や「お持ち帰り」が好評なので問題なく経営ができているようです。
どのような状況になっても人気があるマクドナルドは、「お気に入りの食事の場とスタイルであり続けること」という経営理念を掲げて、今後も大きく成長していくことでしょう。
上記がモスバーガの掲げる経営理念になります。
モスバーガーは人を大切にして経営している企業で、下記のような活動を行なっているようです。
・生産者との対談
・子育てママのファンの集い
・定期的な衛生管理のマニュアル強化
・タウンミーティング
・安全安心笑顔キャラバン
他にも様々な社会貢献をしていて、人間貢献には非常に力を入れていると言えるでしょう。
ホームページは人間味のある温かい感じになっていて、活動内容や商品に対する思い入れなどが紹介されているので興味がある人はチェックしてみて下さい。
コロナウイルスなどの影響で近年は閉店が相次いでいますが、日本のハンバーガーフランチャイズ店のシェア数では2位を維持していて、たくさんの人から愛されています。
上記が日本ケンタッキー・フライドチキンの掲げる経営理念になります。
ケンタッキーは美味しい商品を顧客に提供する為に、かなりの工程を経ているようです。
例えば、オリジナルチキンを作る工程数が約20工程あって、全て店舗で調理しています。それだけでなく、商品を作るときは、会社が独自で作った認定ライセンスを持っている人材が監修しているようです。
「おいしさ、しあわせ創造企業」という経営理念によって、商品には細部までこだわるという方向性が明確に分かるようになっています。
上記が鳥貴族の掲げる経営理念になります。
鳥貴族は主に関西と東京で店舗展開している飲食店で、2015年7月時点で全国に348店舗まで増えました。
少しでも多くの顧客が利用できるように、298円均一という低価格で1つの商品を販売しているのが特徴です。もちろん商品にも拘っていて、全て国産鶏肉を利用しています。
「焼鳥で世の中を明るくする」という経営理念によって、低価格で国産鶏肉の焼き鳥を多くの人に提供するという方向性が明確になっていますね。
上記が王将フードサービスの掲げる経営理念になります。
王将は商品の注文が通ってから席に届くまで、平均で10分以内というスピーディーな対応を行っているのが特徴です。その為、昼休憩をしている会社員などからも非常に人気となっています。
商品に関しても、国産食材を100%で使用していて、冷凍保存はありません。調理に関しては、技術と知識を兼ね備えたスタッフが責任を持って担当しています。
「当社は、より美味しく、より安く、そしてスピーディーに料理を提供することを通じて、常にお客様の心に応える行動に撤し、社会に信頼され、外食産業のトップリーダー王将を目指す」という経営理念によって、低価格で早く美味しい商品を顧客に提供するという方向性が明確になっていますね。
オリジナル商品が用意されている店舗もあるので、興味がある人は足を運んでみましょう。
上記がくらコーポレーションの掲げる経営理念になります。
少し経営理念が端的で意味が分かりづらいですが、添加物を含まないで素材の味を顧客が楽しめるようにする、というのが意味に含まれているようです。
実際にお寿司は全て無添加で、調味料なども利用しません。お米は国産米を利用していて、糖質を逃さないように温度管理も徹底しています。
「食の戦前回帰」という経営理念によって、顧客が本来の魚の味をお楽しめるように調理するという方向性が明確になっていますね。
価格も100円均一と学生でも利用できるので、非常に幅広い世代から人気を得ています。
上記がすかいらーくの掲げる経営理念になります。
すかいらーくは「ガスト」や「バーミヤン」など、複数の飲食店を展開している企業です。
価値ある豊かさ、という意味は様々な場面で受け取ることができます。
例えば原材料に拘りが強く、国内だけでなく国外でも調達を行っているようです。ホームページには、「調達で何より重要なのは、安く買うことではなく、将来に渡って安定的に出荷していただくこと。全てのお店で、いつでもおいしい野菜がテーブルにお届けできる事実を継続する、というほうが重要なのです」と記載されています。
他には社会貢献や環境への取り組みなどを積極的に行っていて、2020年4月〜9月の半年間で1,600万円以上の「新型コロナウイルス拡大防止活動支援金」を集めました。
店舗の利益だけでなく、社会や環境に良い影響を与える価値ある企業と言えるでしょう。
この記事では、経営理念を掲げるメリットや、実際に飲食業界で活躍している7つの企業の経営理念を紹介しました。
経営理念は絶対に必要だと法律などで定められている訳ではありません。しかしながら、経営理念があるだけで会社の方向性を明確にすることが可能です
本記事で紹介した飲食業界で成功している企業は、経営理念から会社の方向性を明確にしてサービスを展開しています。
これから飲食業界で経営を始めるのであれば、本記事を参考にして経営理念を作りましょう。