日本における小売販売は、全体的に伸び悩んでおり20年以上大きな進展が見られない状況です。そんな中、成長を続けている数少ない市場のひとつとして注目が集まっているのが、ECサイト(いわゆるネット通販)になります。
ECサイトの市場は今後もますます拡大していくと考えられており、多くの企業がEC事業へと投資を行い、人材を次々と投入しているのが現状です。
もっともまだまだECサイトは業界自体が新興市場であることもあり、ECサイトが実際に儲かるのか?メリットやデメリットはあるのか?など詳しく知られておりません。
そこで今回はECサイトの基本的な知識や導入することで得られるメリットなどについて詳しく解説していきます。
成長を続けているものに投資を行い利益を出すというものが、ビジネスの基本であり企業が事業を行うにあたっての基本的な立場です。
そこでECサイトの業界がどのようになっているのか?設けることができるのかについて解説していきます。
2020年に経済産業省が行っている「電子商取引に関する市場調査」によると、2019年国内EC市場は約19兆円に達していると発表がありました。
国内の小売市場が約140兆円のうち、約19兆円をEC市場が占めている計算になります。毎年約10%前後の成長率を誇っているので、企業としては外すことができない市場なのではないでしょうか。
特に約10年前のEC市場の規模が約7兆円だったことを考えると、10年間だけで2倍に成長した市場であり、成長している市場が少ない日本においては数少ない有望な成長市場であるといえるでしょう。
近年では、誰もが知る有名ブランドはもちろんのこと、老舗のメーカーや個人商店でも参入しており、今後もこの動きは続いていくことが予測されます。
成長市場であることは分かりましたが、実際にECサイトは儲かるのでしょうか?
ECサイトは実店舗経営とは異なり、常に店員がいる必要もなくコストもあまりかかりません。もっとも実店舗によるとは異なる知識が必要となるので、一概にECサイトを始めたからといって成功できるとは言い切れないでしょう。
ECサイトを始めるにあたって必要な基本的な経費は以下のようなものが挙げられます。
ECサイトで儲けるためには、上記の経費が必要となります。ただECサイトが儲かる!と考えて、ECサイトを始めるだけでは経費で赤字になりかねません。
売り上げと経費をしっかりと考えて、ECサイトを始めましょう。
ECサイトが成長市場であり、上手く運営を行うことができれば大きな利益を出すことができることを上記では紹介してきました。
それではECサイトを新規で利用するメリットというのはどういったものがあるのでしょうか。ECサイトは大手ECモール(Amazon・楽天など)と自社運営を行う自社ECの2種類があります。
ここでは大手・自社の場合においてのメリットをしっかりと解説していくので、自社で導入する際はどちらが適しているのか参考にしてください。
ECサイトを利用する上で最大のメリットといえるのが、楽天・Amazon・yahooなどの大手ECモールを利用することができる点です。
現在ではネットショッピングなどを行う際は、上記の3つのモールを利用する人が大多数ともいえるので、これらのサイトに出店をすれば莫大な人数の見込み客に対して集客をすることが可能になります。
またこれらのサイトを利用すれば、事前に用意されているシステムを利用でき集客も簡単にできるのでECサイト初心者でも簡単に運営を始めることができるでしょう。
上記でも少し触れましたが、大手ECモールを利用すれば集客にあまり力を入れる必要がありません。Amazonを代表とする大手ECモールは国内だけでも月間の利用者が数千万人だといわれています。
すでに人が多く利用している場所で、販売を開始することができるので1からECサイトを自社で構築するよりも遥かに簡単に集客できるでしょう。
加えて現在ではインターネットによる犯罪が日常的に起こり、セキュリティに関する意識が高まっています。
そんな中で、知らないサイトで買い物をするということは不安を感じるので、大手モールのブランドという信頼感を利用することでお客様が安心して買い物をすることができるでしょう。
Amazonなどの他社ECサイトを利用することは、集客やシステムの面でも簡単に行うことができるので初心者でもできますが、一方で手数料などが発生してしまいコストがかかってしまいます。
手数料などが気になる場合、自社ECサイトを利用するのがいいでしょう。自社ECサイトは1からシステムの構築や集客を行う必要がありますが、その分手数料など余計なコストはかかりません。
また大手サイトを利用する場合は、サイトのカスタマイズなどはできませんが自社ECサイトを利用すれば会社に合わせたカスタマイズやデザインをすることが可能になります。
自社の製品やコンセプトにこだわりがある場合、自社ECサイトを構築し運営を行っていけば、顧客の囲い込みもできるのでおすすめといえるでしょう。
ECサイトのメリットを紹介してきましたが、デメリットは存在しないのでしょうか。以下ではECサイトのデメリットについて解説していきます。
Amazon・楽天を利用するにあたって、必ず必要になるのが手数料です。既存のシステムや集客力を利用することができるという反面、手数料・出店料などのコストがかかってしまうのがデメリットです。
大手モールを利用するにあたっては、必ず発生してしまう固定コストとなってしまうので事前にどのくらい費用がかかるのかは必ずチェックしておきましょう。
大手モール型ECサイトを利用した買い物をお客様がしたとして、口コミでどこで買ったか尋ねると「Amazon・楽天・yahoo」と返ってくる事がほとんどです。
これでは自社のオリジナリティを出す事が難しく、独自性が薄れていってしまうでしょう。大手モールのシステムの中でしか、独自性を出す事ができないので自社のオリジナリティを出したいと考えている場合にはデメリットになりえます。
大手ECモールでの出店をした場合、顧客情報に関して収集することはできません。マーケティングにおいて情報を利用できないので、顧客情報をしっかり収集したい場合は自社ECサイトをおすすめします。
大手ECモールを利用する場合、集客や信頼度という面では問題ないのですが自社ECサイトの場合はそうではありません。
自社ECサイトの場合、集客・信頼度・運営などを全て行う必要があるので非常に手間が必要となります。また運営をどのように行っていくのかもしっかりと検討する必要があるので、何も考えず始めるだけでは失敗してしまうでしょう。
ECサイトについての基本的なことについて紹介してきました。
EC市場は毎年急激に伸びており、参入することで得られるメリットは計り知れないものがあります。
一方で、店舗における運営とは違った様々な知識が必要なので、何も準備を行わないでECサイトを初めてしまうと大きな損失を出してしまう恐れもあるので注意が必要です。
自社がどのような目的でECを初めて、大手モール・自社ECどちらを利用する事が適しているのかなどを事前に見極めてからECサイトの運営を初めることを検討しましょう。