【後継者特集】豊田章男

日本人の経営者について詳しく知りたいと思っている人は多いでしょう。

日本には小企業から大企業まで多くの会社が設立されていますが、その中でも本記事ではトヨタ自動車株式会社代表取締役の豊田章男さんについて紹介していきます。

日本だけでなく世界的に見ても大企業であるトヨタ自動車を、豊田章男さんはどのような経営戦略で大きく成長させたのでしょうか。

大企業に成長したトヨタ自動車の社長である豊田章男さんに興味がある人は、是非最後までご覧下さいませ。

豊田章男さんとはどんな人物?


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まずは豊田章男さんについて詳しく解説します。生い立ちや経歴などをまとめているので、是非ご覧下さいませ。

孤独な幼少期


豊田章男さんの幼少期は、非常に孤独を感じるような生活を送っていました。

なぜなら、母の博子が三井財閥一族のご令嬢で非常に権力のある人間だったからです。それだけでなく、夫は日本の中でも非常に大きな企業を経営している人物で、周りから気を使われることが多かったと予測できます。

子供達は経営者が凄いということを理解していないかもしれませんが、親御さんや先生は絶対に気にしていたでしょう。

孤独を感じることはデメリットだと思いますが、中学では名古屋の中でも有数の私立中学である「愛知教育大学附属名古屋中学校」に入学するなど、学習面では家族から全面的なサポートを受けていたようです。

文武両道の学生生活


中学でも勉学に励み、慶應義塾大学高等学校から慶應義塾大学法学部へと順調に進路を歩んで行きました。
大学在学中にはアメリカへ行って、有名スクールでも勉強を続けていたようです。

それだけでなく、慶應義塾大学の在学中はホッケー部で活躍して、日本代表にまで選出されました。
オリンピックはボイコットによって出場できませんでしたが、勉学とスポーツの両方で結果を出せる努力家である証明にはなるでしょう。

大学卒業後も勉学に励むべく、アメリカに渡って語学習得と同時にMBAの習得も目指しました。実際に1982年にMBAを習得したようです。

トヨタへの入社


MBAを習得した後も帰国しないで、アメリカの投資銀行に就職しました。

非常に勉強熱心で知識も多く持っていたようですが、トヨタ自動車の息子であるという期待値や周囲の目線から、少しずつストレスを感じ始めます。

そして、最終的にはトヨタ自動車で働くことを決意して入社が決定しました。
父親は特別扱いをしないとう言葉を伝えていたようで、入社後は平社員の業務などを請け負ったようです。

経営者へ就任


トヨタに入社してから、他の正社員と同じように指導・教育を受けたことで成長した豊田章男さんは、2009年に第11代目の社長に就任します。

しかしながら、豊田章男さんが社長になったタイミングは、トヨタ自動車の歴史の中で一番厳しかった状況だったと言っても過言ではありません。

2008年のリーマンショックによって、営業利益は赤字に転落していました。
それだけでなく、社長になってからトラブルが多発します。

世界的な問題になって連日ニュースで放送されたリコール問題が2010年に発生して、2011年には日本に多くの被害をもたらした東日本大震災が発生しました。

それだけでなく、トヨタ自動車でマスターテストドライバーをしていた人の事故死や円高などに、社長に就任して2年程度で多くの課題をクリアしなければいけない状況になります。

どのような戦略を取るのか多くの人から注目を浴びましたが、豊田章男さんは原点回帰を図る為に様々な施策を打ちました。
豊田章男さんの経営エピソードに関しては、次で紹介していきます。

豊田章男さんの経営エピソード4選

 

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トヨタ自動車本社(画像引用:wikipedia)


それでは、豊田章男さんが行った経営のエピソードを紹介していきます。

これから紹介する経営エピソードは、トヨタ株式会社の歴史の中でも重要なポイントになるので、興味がある人は是非ご覧下さい。

社長に就任後の原点回帰


大きな赤字を出していたトヨタ自動車株式会社は、原点回帰するべく経営規模の縮小を図りました。

原材料費の削減や他事業の撤退などによって、数字を改善することに成功します。

また経営の方針を変えるべく幹部陣の人数を減らして意思決定を早くできる体制を整えました。
これによって、経営スピードが一気に加速します。

経営スピードが加速したことで、危機的状況に陥った2009年から3年後の2012年には業績を原点回帰させることに成功しました。

世界各地の需要の把握


世界中の需要は各地で異なっていて、それぞれに適した商品を開発して販売しなければ、売上を作ることはできません。

それを理解していた豊田章男さんは、地域の現地調査を徹底的に行って、各地に適した車の販売を決定しました。

この施策は見事に的中して、現地調査や車の開発などで費用は増えましたが、世界中でトヨタ自動車株式会社の車が利用されるようになります。

2013年には世界でも販売台数が1,000万台を超えて、2014年3月の決算では過去最高収益を達成しました。

就任時は会社が危機的だったにも拘らず、数年で業績を戻すところか過去最高で成長させたのが豊田章男さんになります。

4つの系列販売


・トヨタ店(高級車中心)

・トヨタ店(中級車中心)

・トヨタ店(大衆車中心)

・トヨタ店(若年層をターゲット)

同じ地域に上記の4つの系列販売を行ったことで、日本でのマーケットシェア率1位を獲得することができました。

系列販売をすることで商品の種類を増やす必要があり、リスクもありましたが、実行すると多くのターゲットへのアプローチに成功します。

また、直営ではなくフランチャイズという形を取ったので、他人の資本で店舗数を増やすことができました。

仮に直営での事業拡大を考えていたら、ここまで早く店舗数を拡大することはできなかったでしょう。
マーケットシェア率も落ちていたはずです。

「系列販売」と「フランチャイズ」という戦略を取ったことで、トヨタ自動車株式会社が事業拡大に成功したのは明白ですね。

若者の車離れによる新事業


今まで車の事業で世界的に大きなシェア率を誇っていたトヨタ株式会社ですが、近年は電車やバスなどで交通の利便性が良く、若者の車離れが加速している状態です。

トヨタ株式会社は年間で1000万台以上の車を販売していますが、日本での販売数は150万台程度になります。

このままだと車販売の事業だけでは厳しいと感じた豊田章男さんは、2019年にカーシェアのサービスを始めました。

時代の流れに沿って事業を展開することで、トヨタ自動車は世界的な大企業として残り続けています。

豊田章男さんの名言集4選


それでは、
豊田章男さんが残した名言を4つ厳選して解説していきます。

多くの名言を残されている豊田章男さんですが、その中から経営に関する名言を解説しました。

あなた自身のドーナツを探しなさい


豊田章男さんはバブソン・カレッジの卒業式で行ったスピーチで、「あなた自身のドーナツを探しなさい」という名言を残しました。

普通の卒業式のスピーチは、ほとんどの学生が居眠りや携帯電話を利用していて、集中して話を聞いていないことが大半でしょう。
しかしながら、豊田章男さんはユーモアを混ぜながら短い言葉で分かりやすく伝えることによって、多くの学生がのめり込んで話を聞きました。

「あなた自身のドーナツを探しなさい」の意味ですが、豊田章男さんはアメリカのドーナツに感動して心を踊らされたようです。
言い換えると、学生自身が感動できることや楽しめることを発見して欲しいという意味を少しユーモアに伝えたように見えます。

売上が伸びない状況では、何かを止める決断も必要


トヨタ自動車株式会社は売上が伸びないで悩んだ時期もあったようですが、原点回帰を目指す為に原材料費などを見直す事で経営状態を回復させました。

売上がある時と同じ経営をすると、損益は膨れ上がっていくだけでしょう。
何かを止めるという決断を取る事が非常に重要だということが分かりますね。

トップというのは決める事と責任を取る事。


豊田章男さんは意思決定に関して自分だけでなく、従業員にも責任を持たせています。
裁量権を従業員に提供することで、責任感を持って仕事に取り組めるようモチベーションをコントロールすることが可能です。

もちろん会社の大きな意思決定は、責任を持って豊田章男さんが決断します。

トヨタ自動車株式会社はプロジェクト毎にチームを組んで活動しているので、意思決定を行う従業員が多いです。
多くの従業員が責任感を持って仕事をすることで、会社全体が活性化して経営成績が良くなっていると言えるでしょう。

僕は背負っているというより支えられているって感じなんですよ。


豊田章男さんは素晴らしい経営者ですが、チームを引っ張っていくというより、従業員に支えられていることで経営ができていると考えているようです。

実際に社長に就任する前は平社員として雑務などを経験して、現場の人達と同じように成長していきました。

このケースは非常に珍しく、後継者はいきなり社長や役職に就いて働くことの方が多いです。

自分が偉いという考えを持たないで従業員と一緒に学び続ける豊田章男さんの人柄に、多くの人が賛同して付いて行ったと言えるでしょう。今では多くの従業員から慕われている社長になります。

トヨタ自動車株式会社の豊田章男さん:まとめ


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この記事では、トヨタ自動車株式会社の豊田章男さんについて徹底解説しました。

幼少期から過度な期待によってストレスを抱えていたようですが、無事に期待を超えた活躍をすることに成功しました。

もちろん親御さんの教育も素晴らしかったでしょうが、本人が必死に努力をして勉学や仕事に励んだ成果だと言えます。

経営に関しては様々な戦略や施策で成功をさせることができましたが、特徴的なのは従業員目線でマネジメントを行っているポイントでしょう。
豊田章男さんが自分で平社員の仕事を経験したので、そこの知識や体験からマネジメントの手法を改善しているようです。

その結果、離職率が非常に低く、従業員のモチベーションも維持しながら経営をすることができています。

経営者が独裁者になって意思決定や強制的なマネジメントを行っている企業も多いですが、トヨタ自動車株式会社は従業員目線で理想的な経営を実現することで、日本でも有数の大企業に成長しました。
これから自動車販売の事業は難しくなると予測されますが、どのような事業展開で経営をしていくのか注目です。

 

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