農業に新しい可能性を〜創業100年に向けた老舗企業の挑戦〜

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農業業界に次々と革命を起こし、農業に関わる方々をあらゆる面からサポートする創業97年の老舗企業「福農産業」を特集した!

 

農業業界に救いの手を!

 

福農産業さんがやっている仕事の内容を教えてください。

 

― 竹内社長

福農産業は大正12年に創業した97年目の老舗企業です。
関西圏の兵庫県三木市に本社をかまえ、北陸や中国地方に計7ヶ所の営業所を展開しています。

農家の方の負担を減らすような農業用品の開発や卸販売を主な事業とし、「福農産業=不苦悩産業」という想いで、苦しい、つらいといった苦悩をなくすことを追求しています。害獣対策用品や切れ味の良い刃物など、道具で農家の方の負担を減らせる部分はとても大きいと思っています。

主要な取引企業は業界最大の組合であるJA(農業協同組合)や大手ホームセンターのカインズホーム、コメリなどです。
現在はリアルだけでなく、ネット通販サイト【モノタロウ】にも商品を掲載し、全国へ販売網を広げています。

 

竹内社長物凄い広範囲にご商売をされてますね…
しかも取引先がビックネームばかりですごいという言葉しか出ません…
97年の歴史は簡単にはまとめられないと思いますが、福農産業さんの歴史を少し教えていただけると嬉しいです。

 

福農産業の歴史

 

 

                   創業当時の看板

福農産業という会社は鎌の製造から始まりました。
そう…稲や苗を狩る鎌です。

きっかけは創業当時、農業が栄え、近所に鎌の職人さん達がどんどん増えていく光景を肌で感じた先代がこの市場に着目し「これは売れる!必ずくる」と想い立ち上げました。
あの時代は稲刈りや草刈りなど全て手作業だったので、鎌を流通させていくには抜群の環境だったのかもしれないです。

その後、先代が早くに他界してしまい、父(現・会長)が福農産業を継ぐことになりました。
家業を継いだ父がその才覚を発揮し、一つの製造業に留まらず事業を拡大していきます。

会社を拡大するという想いが強かった父は、より事業領域を広げる為に、JA(農業協同組合)とのパイプ作りに成功し、様々な刃物や道具を卸すようになりました。

その後、全農(全国農業協同組合連合会)の東京本部へ直接出向き、社長自ら交渉し、がっちりと契約を結ぶことができたことが当時の大きなターニングポイントとなりました。

こうして改めて歴史を振り返ると、父は自ら動き突破する凄まじい行動力の持ち主だったかもしれないですね…

 

ありがとうございます。
ここからは家族経営(ファミリービジネス)という一つの定義を入れた質問もしていきますのでよろしくお願いいたします。

福農産業さんは今まで97年間を3代で事業を運営されておりますが、家族経営(ファミリービジネス)ならではの悩みはございますか?

 

まず私が就任した時期からお伝えします!

今から12年前、私が代表取締役に就任しました。
当時は父が73歳、顧問税理士の先生がたしか76歳位だったので、おそらくそろそろ次の代のことを考えての顧問税理士の先生から父に提案したんじゃないかと思います。

私には父から突然そういった話が伝えられました。
その時は急だったのでびっくりしましたが、「僕がこの福農産業の社長をしていくんだ!」という高い感情が芽生えたのを今でも覚えています。

その後は家族経営ならではの悩みはたくさんありましたね。
家族(兄弟)に対する処遇や役割などもどこまで厳しくするか?どこまでまかせるのか?
その辺が難しかったり、今まで長年父の元で働いてきた社員にも色々と気を遣われてしまったりと….

まあ、兄弟たちへの接し方など、いろいろな要素があるので一言では言えないですが。

また、父の影響力が色んな意味でかなり大きかったこともあり、これからの時代に向けた会社の体質改善もとても難しいと感じています。
取り組みは今も日々継続しておりますが、改善改善で少しでも良い方向へ向かえるように頑張っているところです。

 

すごいですね…
この部分だけでもさらに深掘りするとすぐ1、2時間経ってしまいそうですね….

ただ、ファミリービジネスならではの悩みをこうして直接聞くことができて、普通の経営者じゃ経験できない大変なお立場だなと改めて感じました。

さて、次の質問も本当に聞きたかった質問です。

福農産業さんは創業97年ですね….
あと3年で100年という節目の数字に到達いたしますが、創業100年に向けて社長のお考えをお聞かせ頂けますか?

 

創業100年に向けて

 

100年というのはとてもキリの良い数字ですよね。
自分の代で100年の歴史に到達するというのは非常に感慨深いものがありますので、私はとても楽しみです。
実は創業以来、創業◯◯周年!といった記念の会みたいなものをやってこなかったんですよ。

ここにも仕事や商売にしか興味のなかった父の影響が出ていると思いますが….ある意味すごいことですよね。

100年に到達したら、さらなる100年に向けて事業を継続していくために、私の代で新しいことを始めたり、チャレンジしなくてはいけないという気持ちはあります。

手打ちの鎌を作る職人さんも高齢化し、近い将来技術の継承が途絶える可能性もありますし、、、永久に残る商売はないと思っていますから!

個人的には先代が作ってくれた事業でもあり、福農産業を築いてくれた事業でもありますので若い方が技術を継承してくれれば…という淡い期待はありますが。

今私が思う未来を言葉にするなら、これからの100年は人の健康や地球環境を考えたエコロジーに着目していきたいと思っています。

農作業の高齢化も日本は着実に進行していますが、少しでも体に負担がかからないように、少しでも楽にならなければいけないですよね!

腰を痛めて寝込んでしまうなんてことは前代未聞、あってはならないことですし、仕事で体を害してしまうのはとても残念なことです。

海洋プラスチックの問題もとても深刻です。
今でも海にはたくさんのプラスチックが漂流したり、沈んでいます。

その影響で鳥や魚が死んでしまったりすると、人間にも確実に影響を与えていきます。
そういった問題を解消できるような、品質を突き詰めた資材づくりも考えています。

あと3年…せっかくなので100周年の記念では何かはやりたいですね。

今は考えている最中ですが、これまで続けさせてもらえたお礼に大安売りなんていうのもいいですよね。
また、今まで支えてくれた従業員や取引先様にも改めて御礼を込めた何かができれば最高ですね…

 

本当ですね 100年の歴史を考えると今までの経過に対する感謝とこれからの100年を見据えた戦略が必要になってくるんですね!
本当に奥深くて、聞いているだけでワクワクします!

そんな福農産業さんを支えたヒット商品について、少し教えていただけますか?

 

福農産業を支えた商品

 

福農産業は最初でこそ鎌のメーカーというイメージが強かったですが、今では鎌以外の商品で自慢できるものもたくさんあるんですよ!

まずはお米の保管庫!
昔はお米の保管方法なんて決まってなかったので、保管庫という商品を出したこと自体がびっくりされました。
これはかなり売れて、メーカーさんから納期の催促が殺到して大変でしたよ。

次はカイト鷹!
鳥獣害は農家とは切っても切れない課題だったので、本当に評判が良いですね。

 

実際の動画

うちのオリジナル動画以外にも全国の方がファンになってくれてYouTubeなどにあげてくださっているので、自然宣伝にもなっているのはありがたいです。

鳥獣害が多発し、死活問題となっていてしまうケースは今でも大いにあり得ますので、未だに売れている商品のひとつです。

他にもミラブルや黒ニンニクメーカーなど、たくさんありますが…
挙げすぎると自慢みたいになってしまいますよね。

 

福農産業さんは本当に農家の方々やそれに付随した方々の課題解決に尽力されてきたのですね…!さすがです!
個人的には黒ニンニクメーカーはすごく興味ありますよ…

いよいよ時間になりそうなので、最後に福農産業さんが今後残したいものと変えていきたいものを教えていただけますか?

 

これから残していきたいものと変えていきたいもの

そうですね、まずはこれからも残していきたいもの…

それは「商売根性」でしょうね。

父からの影響でもありますが、常に商売のことを考えながら、新しいアイディアや商品をどう商売に繋げていくかという考え方・マインドは守り続けていきたいです。

やはりデリバリー(決まった営業やルートセールス)だけをしている営業ではいけないなと思っていて、顧客に新しい提案をどんどんできるようになることが理想です。

営業とは商売ですから、ワクワクがなくなってしまってはいけませんよね!

変えていきたいものは…

ん〜「右へならえ」の風習は変えていきたいですね!

会社のトップがいて、その下は役職があってもなんとなく横一線という環境であったりするので、今までの在り方を見直して、きちんとした組織マネジメントができれば、更なる飛躍も可能だと考えています。

福農産業は、商品や値段に差がないような場合でお取引いただけることが多いのも、お客様の懐に入る営業がしっかりできているからだと思います。「不苦悩」なものの売り方ができているということだと思います。

そんな能力の高い社員たちがいますので、私(経営層)に対してアイデアや提案を出してくれる社員がいると、とても嬉しいですし、貴重だと思っています。

そういったことが増えるような環境にしていくのも自分の取り組むべき課題だと思いますね!

 

ありがとうございます!
とても深いお考え本当に感銘いたします!

残すもの、変えるもの…それって本当に深いテーマですね!
ぜひ社長の想いが実現されることを祈っております。

最後になりますが、社長の今の意気込みをお願いいたします。

 

最後に…そうですね…

福農産業は今後農業を中心にそれに関わる方々の幸せを追求したサービスなどを提供していきたいと考えています。

会社を育ててくれた農業という市場に感謝し、これからも拡大できるように、恩返しできるように、商売をしていきたいと思います!

 

これからの活躍をご期待くださいませ!
取材のあと、雑談で社長の趣味も聞いてみました。

 

特に誇れる趣味はないのですが、実は学生の時からゴルフが好きで少し自信があり、大好きですね…
最近も調子がいいんです。

あとは車も大好きで、色んな車に乗ってきましたね…
現在は環境問題とかも考えて、電気自動車に乗っているのですがとても快適ですね!

またかっこいいのが出たら乗り換えようかなとも思っています。
100周年を目前に経営も今まで以上に注力し、息抜きにゴルフや車なども楽しんでいきたいです…

 

ありがとうございました!

 

竹内良一
福農産業株式会社 代表取締役

2008年、福農産業株式会社代表取締役に就任。
農具に留まらず、数々のヒット商品を世に送り出し、2020年に創業97年目を迎える。
創業100年を目前に、人々の健康や地球環境に着目した事業の展開を目指している。

 

福農産業公式ホームページはこちら

 

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