近年日本では働き手が徐々に少なくなっていき、企業の人手不足というのが深刻化しています。
そんな中で重要となってくるのが、従業員のマネジメントをしっかりと行い離職率を少なくするということです。
若年層の早期退職や優秀な社員が引き抜かれるなどしてしまうと、 企業として大きなダメージを受けてしまうでしょう。
そこで近年注目されているのが「識学(しきがく)」です。
「識学」は、2015年頃に始められた組織コンサルティングの方法の一つであり、 運営している株式会社識学も2019年2月22日に東証マザーズにて上場したことをきっかけに、徐々に知名度を上げつつあります。
そこで今回は「識学」とはそもそもどういったものなのかを中心に、識学のマネジメントが老舗企業でマッチする企業とそうでない企業の特徴についても解説していきます。
識学とは「経営者・管理職・部下、すべての従業員が無駄なストレスに悩まされることなく、仕事に集中できる組織」を作り上げることによって、会社としてこれまで以上の成果をあげるためのマネジメント理論になります。
人間は物事を正しく認識することができれば正しく行動できる一方で、認識を間違ってしまえば行動も間違ってしまうという生き物です。
認識の誤りは「誤解・錯覚・ミスマッチ」といった悪影響を与えてしまいます。
そうした誤解や錯覚を会社という大きな組織に発生させないために、どういったマネジメントをすればいいのか言語化したものが識学です。
誤解や錯覚というのは会社という組織を運営するに当たって大きな悪影響を受けしまいます。
例えば会社の中で部下のモチベーションを上げるということは上司の役割だと考えている方も多いのではないでしょうか。
もっとも実際は、上司にモチベーションを上げてもらうといったことをしてもらわなくても成果を上げられるという人が会社という組織で評価を受けるべきです。
上司にモチベーションを上げてもらわなければ頑張れない存在であると、本人にとっても働き続けるということは難しいですし、会社としても無駄な時間を使わなければいけないので生産性や効率が著しく落ちてしまいます。
こういった会社に所属している人々の細い誤解や錯覚をなくすことによって、より成果の上がる組織を作るというのが識学の理論の基本です。
識学は「成果の上がる組織をつくる」ための理論です。
上記で紹介したような会社という大きな組織内での誤解や錯覚を取り除き、 これまで以上に成果の出すことのできる組織を作り上げることが可能になります。
実際に識学を取り入れる事によって、会社の組織はどのように変化していくのでしょうか。
実際に会社の役職ごとにその変化を見ていきましょう。
識学を取り入れることによって、社長はこれまで以上に市場で勝ち会社と社員を成長させ豊かにするための方針などを決めることに集中することができます。
社長というのは、会社という大きな組織の方針や経営戦略を定めることに集中しなければいけません。
しかし日々の業務に追われて、本来管理職などが行わなければいけないことまでも自分で行ってはいないでしょうか。
これでは会社として将来的な成長を見込めることはできません。
社長自身が動いてしまうと、部下たちは管理職よりも優先して社長の意思を汲んでしまい、管理職が一向に育たず、部下達も社長の指示待ちという組織が出来上がってしまいます。
こうなってしまうと会社としての組織がいびつな状態になってしまうのは間違いありません。
識学を導入することにより管理職に対して、責任や権限がどれだけあるのかを理解させ、社長が介入しなくても業務を回していくことができる組織を作ることができます。
このような組織ができれば、社長は安心して日々の業務を管理職に対して任せることができ、経営戦略や会社と社員をより成長するための考えに集中することが可能です。
識学を取り入れる事によって一番大きく成長するのはもしかしたら管理職かもしれません。
管理職というのは責任や権限が増し、 やるべきことが多岐にわたります。
しかし管理職の権限が他の部門と重複してしまっていたり、部下に対しての目標設定も組織としての目標と大きくずれてしまったりしてしまうと、会社として成果を出すことができません。
識学を導入することで、自分がやるべきことは何なのか、組織としての目標に対して部下にやらすべきことはどういったことなのかを明確にすることができます。
管理職のマネジメント力が大きく上がることによって、社長はより大きな仕事に着手しやすくなり、部下達も安心して納得しながら仕事をすることができるでしょう。
管理職が部下や上層部との衝突をなくし、人間関係によるストレスのない生産的なチーム運営を行うことができるようになるので、組織としてより成果の出せること間違いありません。
管理職にマネジメントされるすべての社員は、日常的にさまざまな悩みを抱えています。
識学を導入することによって、社員の上司である管理職の人々は、適切なマネジメントを行えるようになります。
どのように評価をすれば良いのか、目標に対してやらなければいけないことはどういったことなのかを明確化して仕事を割り振るといったことが可能になるのです。
目標に対して何をやらなければいけないのか明確化すれば、社員たちもどういったことを達成すれば評価されるのか理解することができより集中して働くことが可能になります。
管理職のマネジメントがうまくいく事によって、部下として働いている社員たちも成果の出せる働き方ができるようになるのです。
ここまで紹介してきたように識学を取り入れる事によって、社長・管理職・部下として働く社員すべてが成果を出せる働き方ができるようになります。
部下として働く多くの社員は「どういったことが成果で何をすれば評価されるのか」を理解し、管理職は「自分が行わなければいけない業務の権限と責任」について自覚し、社長は「 競争に打ち勝つことができる経営戦略」に集中することが可能です。
それぞれがこのように働くことができる組織は、これまでにない大きな成果を生み出すことができるようになり、社員全体が幸せで豊かな生活を送れるようになること間違いありません。
上記で紹介したように識学を取り入れる事によって、様々なメリットを得ることができます。
もっとも全ての老舗企業が識学というマネジメント理論に、マッチするというわけではありません。
老舗企業というのは長い歴史や伝統があるので、なかなか新しい考え方を導入しようとしてもうまくいかないということも多いでしょう。
そこで識学がマッチするであろう老舗企業について、以下で詳しく解説していきます。
会社という多くの人間が所属している組織で働くためには「所属意識」というものが必要不可欠であり、これを得るためには日常から会社が設定するルールを守らせるということが必須になります。
しかし老舗企業というのは、長い歴史の中で馴れ合いの関係やなんとなくで済ましているということが目立つ組織も多々あるものです。
日常から組織に所属している人間がルールを守らなかったり、管理職の管理やマネジメントが不十分だったりしてしまうと、組織に所属しているという意識が薄れてしまうことで、一人一人がバラバラに動いてしまいます。
つまり、名目上は組織としての会社に所属していても、個人個人が勝手な目標を持ってバラバラに動いてしまっている状態です。
このような状態が日常化してしまうと、組織に所属しているという意識はなく個人の利益が優先される状態となってしまうので、仮に自分の利益に反することや好まないことを業務として命じられると、パフォーマンスが発揮されないという状態になってしまいます。
こういった管理不足が目立つ老舗企業には、識学がマッチします。
なぜなら識学を導入することによって組織が決めたルールを徹底的に守らせる環境を作り、所属意識を持たせることによってより成果の上がる組織を作ることが可能になるからです。
目標が曖昧になってしまっている老舗企業にも識学がマッチします。
会社という組織は、経営戦略としての大きな目標と、管理職やその部下たちが達成しなければならない小さな目標など、様々な目標が必要になります。
老舗企業では長い歴史の中で、目標が曖昧になってしまっており何をすればいいのかよく分かっていないという企業が多いです。
目標が曖昧になってしまっていると、どういったことを達成すればいいのかわからないまま部下として働く社員たちは業務を進めていくことになってしまいます。
部下だけではなく管理職も目標が曖昧のままでいると、部下に対して検討違いのアドバイスをしてしまうことにより、目指すべきであった目標からどんどんずれて進んでいってしまうでしょう。
その結果、部下が目標を達成したと感じていても、認識のズレが生じてしまっており「仕事ができていない」という評価が下されてしまいます。
こういった食い違いや認識のずれが生じてしまうと、部下はせっかく仕事をしたのになぜ評価してくれないんだと不満を持ってしまうことは間違いありません。
どうにか良い評価を受けようと模索したとしても、そもそも組織として目標が曖昧なままだと評価の基準がわからないまま試行錯誤してしまうことになります。
こういった状態では成果を出す組織を作り上げることができません。
識学はこういった上司と部下の認識の食い違いも防ぐことが出来るので、目標が曖昧になっている老舗企業はマッチする可能性が大きいといえます。
結果を出したことに対する評価や分析が無い老舗企業
老舗企業というのは長い歴史や伝統があるので、長いスパンで物事を見ることが多いです。
そのため日常的な仕事で結果を出したとしても、それに対する評価や分析が行われないということが常態化してしまっている場合があります。
例えばマラソンで今何キロか、あとどれくらい走れば良いのか分からないと不安にならないでしょうか。
高校生の時に、大学受験だけしかテストがなく、模試や定期テストとのような自分の実力や成果がどれくらいかわかるものがなかったらどう感じたでしょうか。
マラソンや勉強なども、目標と結果という区切りがなければ、やる気がなくなってしまい少しずつパフォーマンスが落ちていってしまうでしょう。
社会人として働いている大人も同じです。
仕事である程度の期限を設けておこなった業務に対して、何の評価や分析がないまま終わってしまったら、区切りをつけることができません。
自分が行なっていた業務の結果はどうだったのか分からないと、不安を抱えたまま仕事をすることになってしまいます。
このようなことが常態化してしまうと、将来に対して何の期待も持つことができなくなってしまい、思考停止状態に陥り自ら動く社員がいなくなってしまうでしょう。
評価や分析ということが行われないと、組織として何を良良くしていけばいいのか分からず徐々に失敗へと進んでいってしまいます。
識学は、こういったことを防ぐために正しい評価制度の導入などをサポートしてくれるので、評価分析などが行われていない老舗企業にはおすすめです。
ここまでどういった老舗企業に識学がマッチするのかについて詳しく解説してきました。
まとめると以下のようになります。
上記に当てはまる老舗企業は、識学がマッチしてより成果を出せる企業になる可能性があります。
逆に言うと、上記の点に当てはまらずにうまくいっている老舗企業は、 識学はマッチしないでしょう。
今回紹介してきたように、識学というのは会社という大きな組織の中にある認識のズレや錯覚を無くし、優れたパフォーマンスを上げるために役立つものです。
実際に識学を取り入れている会社は、2000社を超えており大きな成果を上げています。
もし今企業として閉塞感やうまくいっていないと感じられるのであれば、識学に基づくマネジメントを取り入れてみてはいかがでしょうか。
識学を取り入れることによって、今以上に成果を出すことができる組織を作ることができるかもしれません。