日本の企業は、創業年数が100年以上も超える老舗企業が多いと言われています。
実際に世界の創業100年以上を誇っている企業の中で、その半数近くが日本企業であると言われており、創業200年以上の企業に至っては65%以上が日本企業です。
世界で最も百年企業が多いのは日本の3万7076社がトップであり、2位アメリカの約2倍近くもあるというのはご存知でしょうか。
このように日本には長い歴史を誇る老舗企業が様々な業界に数多くあるのが特徴です。
古くから日本の経済を支え発展に貢献してきたにもかかわらず、あまり知られていない老舗企業も多くあります。
そこで本記事から数回にわたり、地域別老舗企業TOP10と題して、 様々な地域の設立の古い老舗企業に関して紹介していきたいと思います。
今回の記事は、日本の中心地である東京に負けず劣らず経済の中心として古くから知られている「大阪」の老舗企業がどういったものなのかや、設立年数・取り組みについて紹介していくので、是非最後までお付き合いください。
大阪の老舗企業として1番古いのは「ダントーホールディングス」になります。
ダントーホールディングスは、 1885年に設立され今年で135年になる老舗企業です。
日本の大手タイルメーカーとして、タイルの製造や販売を主に行なっております。
現在ではホールディングスとして様々な事業を展開しており、以下のような事業会社を有しているのも特徴です。
このように国内だけではなく海外にも積極的に事業を広げており、老舗企業として時代の流れに取り残されないような様々な施策を行っているのも印象的になります。
大阪の老舗企業で第2位に位置しているのは「クラボウ( 倉敷紡績株式会社)」になります。
1888年という古くから日本の繊維製品業界を引っ張ってきた大手メーカーであり、現在ではブラジルやインドネシア、中国といった様々な国にグループ企業を展開している大企業です。
現在ではアパレルの素材からシステムソフトウェア開発、環境廃棄物の処理など多岐にわたって事業を展開しており、私たちの生活に根付いた企業と言えるでしょう。
創業当時から、新しい価値の創造を通じてよりよい未来社会づくりに貢献していくというのが経営理念としてあり、1000事業から多彩な分野へと事業領域を拡大し続けています。
従来の事業だけではなく様々な分野へと挑戦し続けているのは、 他の老舗企業としても大いに参考にすることができる点といえるでしょう。
ユニチカは大阪でも3番目の古い歴史を誇る老舗企業になります。
もともとは1889年に日本近代産業を支える紡績会社として始まったユニチカも、現在では高分子技術を核として、現在から未来の世界のニーズを捉えた活動を行っているグローバル企業へと変化しています。
「暮らしと技術を結ぶことによって社会に貢献する」ことを経営理念としており、「人々の生活と環境に貢献し社会的存在感のある企業」を目指しているのが会社の基本的な姿勢です。
2030年を目標として長期的なビジョンである「G−STEP30」を打ち出しており、以下の3つのGが経営計画の核となっています。
老舗企業として日本だけにとらわれず、グローバルな視点で成長戦略を策定しており、持続的な成長へ向けた企業運営基盤を整備しているのが、ユニチカの企業としての現在の動きです。
シキボウ株式会社は、1892年に繊維メーカーとして創業された老舗企業になります。
現在では繊維状にこだわらず、以下のような様々な事業を手掛けているのも特徴です。
ものづくりの技術と文化を融合させることで、新たな価値を創造することを企業として目標にしており、安心安全で快適な暮らしや環境にやさしい社会の実現を経営理念としています。
2025年に向けて、自社の有しているものづくりの力とサービス力を最大限に織り成して、全ての人々の笑顔を作り出す企業集団となるために様々な挑戦を行っているのが特徴的です。
こういった取り組みを通じて、 新中核事業の発展拡大や海外オペレーションの拡張と販売の身長を順調に行っており、今後の成長により注目していく必要があるでしょう。
グンゼ株式会社は、1896年に創業された繊維製品メーカーの老舗企業です。
男性用肌着やインナー、ストッキングを主に事業として取り扱っており、 日本の生活には欠かすことのできない様々な製品やサービスを提供しています。
繊維製品メーカーとして、既存の繊維に関する製品を積極的に取り扱っていくのはもちろんのこと、近年ではメディカル事業やアパレル事業など他業種へにも積極的に進出しているのが特徴です。
アパレル事業では、国内でのECビジネスのシステムを再構築することでより効率的な販売戦略の拡大をしており、また国内だけでなく中国市場への参入なども順調に達成しております。
また中核事業として、メディカル事業の継続的な成長も近年めざましく遂げており、新工場の建設や新商品の開発といった経営資源への積極的な投入を行うことで、柱事業への育成に成功。
老舗企業として繊維製品メーカーの枠にとらわれない様々な事業への参入が印象的な企業といえるでしょう。
ニッケとしての愛称で知られている「日本毛織株式会社」は、1896年に創業された老舗企業になります。
それぞれが経営の基本戦略として共通している事業なので、上記の4つの事業を全て「本業」として位置付け成長発展を目指している企業です。
ここ何年かは「ニッケグループ中長期ビジョン(RN130)」として、企業として目指す方向性とあるべき理想像を明確化し、「繊維」「非繊維」にとらわれない事業展開をすることを意識していました。
一時は1000億円を超えていた連結売上高も、一旦800億円台に落ち込んだという過去もありますが、現在では順調に成長を遂げ再び1000億円台に回復することに成功。
従来の繊維事業だけではなく、人と未来に関する(都市開発やまちづくりを主に行う)開発事業や生活流通事業を成長させることで、企業として今後より大きな成長を図っています。
大阪ガス株式会社は、1897年に設立されてから近畿地方のガスを中心とするエネルギー事業を支えてきた老舗企業になります。
現在の主な事業内容は、ガスに関するものだけではなく以下のようになっています。
上記のように様々な事業を展開しており「新時代のエネルギーマーケターとしての展開」を2030年度まで達成しようとしているのが特徴です。
中長期経営計画として上記のものを掲げており、今後もエネルギー事業を中心に、日本だけにはとらわれず世界各地での海外エネルギー事業展開を狙っています。
大日本住友製薬株式会社は、1897年に設立された日本有数の大手製薬会社メーカーです。
製薬会社として長い歴史を誇っており、医薬品だけではなく下記のように様々な事業を展開しています。
2033年に「グローバル・スペシャライズド・プレイヤー」として国際的に活躍することができる企業を目指しており、「成長エンジンの確立」と「柔軟で効率的な経営基盤づくり」を企業として現在進めています。
成長エンジンの確立として上記の経営戦略を掲げており、2033年までに大きく事業基盤が変わっていくことが予測されます。
日本ペイントホールディングス株式会社は、1898年に創設され塗料事業を中心に事業を展開している企業になります。
世界の29カ国に事業を展開しており、塗料事業シェアでは日本・アジア・豪州・トルコでは1位を誇っているのが特徴です。
総合塗料メーカーとして様々な社会課題解決に向けた新たな製品やサービスの創出を行なっており、家庭内 DIYから大型建造物まで幅広く使用されている汎用的な塗料を世界各国で提供しています。
阪急阪神ホールディングス株式会社は、1907年に創立されてから大阪を常に支えてきている企業になります。
上記の会社を中核として、大阪という日本でも有数の経済都市を支える基盤を作り上げていおり、大阪になくてはならない企業と言えるでしょう。
現在では大阪だけではなく首都圏や海外といったところでの安定的な収益基盤の構築を図っており、ブランド価値の最大化と差別化戦略によって競争力の強化を企業として行なうことを企業計画として掲げています。
今回は大阪の老舗企業TOP10について紹介してきました。
どの企業も老舗企業としての枠にとらわれることなく、幅広い事業を展開しているのが特徴的であり、日本だけではなく海外も含めた市場を視野に入れて経営計画を練っているのが印象的です。
日本は少子高齢化による人口減少で市場が縮小していくことから、今後老舗企業もよりグローバルなものとして成長していくことが必要不可欠になります。
そういった中で、老舗企業として歴史の古い企業も様々な取り組みを行っており、今後も更なる成長や発展を遂げることが予測できるでしょう。
今回は大阪の地域の老舗企業を紹介してきましたが、別記事で他の地域の老舗企業についても紹介していくので、併せてご覧になってみてはいかがでしょうか。