企業の経営者の中で、どのような決算対策をすれば良いのか悩んでいる人は多いでしょう。
決算の対策をしなければ、企業は必要以上に多くの税金を支払うことになります。
言い変えると、きっちりと節税対策をすれば支払う税金が少なくなり、会社にお金を多く残すことが可能です。
決算対策に悩んでいて、どのようにすれば良いのか分からない経営者や経理の人は、是非最後までご覧下さい。
まずは、企業の決算対策で気を付けるべきポイントを2つ解説していきます。
決算のギリギリの時期に対策をする企業は多いですが、あまりおすすめしません。
決算間近に明らかに出費が増えていると、税務署から疑われる可能性があります。
決算対策を行う時期ですが、決算の日から3ヶ月前にはやっておきましょう。
できるだけ早く決算対策をすることで、慌てることなく最大限に節税の準備をすることが可能です。
決算対策は、お金に関して「利益」と「資産」2つの視点で考えることが多いです。
利益と資産のどちらを残すかで、決算対策の方法は大きく異なります。
利益は多いけど資産は少ない、資産は多いけど利益は少ないというような経営状態になっている企業は少なくありません。
会社の財務諸表のバランスを見て、利益と資産のどちらを残すべきなのか明確にしましょう。
それでは、企業が行うべき決算対策を8つ紹介していきます。
決算までに支払っていない代金は、未払費用として損益算入することができます。
未払費用を損益算入することで、利益を圧縮して支払う税金を少なくすることが可能です。
利益を増やす決算対策をしたいのであれば、損益算入を上手く使いましょう。
支払っていない代金を全て損益に算入する必要はありませんが、バランスを考慮して損益計上することが大切です。
次年度の費用を年内に支払えば、前払費用として損益計上することができます。
よくある例ですが、経営状態に応じて賃貸費用や保険料などを前払費用として計上している企業は少なくありません。
次年度に支払うべきだった費用を前払いすることで、来年の出費が減り楽な経営を行うことができます。経営状態を見て、必要であれば前払費用を計上しましょう。
在庫を抱える事業を展開している企業は、売れない商品を損益計上することが可能です。
・売却損
・廃棄損
・評価損
売れない商品は、上記のような様々な指標で損金計上をすることができます。
売却損は売れない商品をセールなどで安売りした場合、原価との差額を損金計上することが可能です。
廃棄損は、売れる可能性が低く永遠に棚卸資産として残り続けると判断された場合、廃棄することで損金計上することができます。
評価損は、棚卸資産の資産価値を低く評価することで、その差額を損金として算入させることが可能です。
企業で売れない商品を棚卸資産として抱えているのであれば、どこかで見切りをつけて損金計上しましょう。
売掛金などの債権を回収するのが不可能になった場合、または回収不能になる恐れがある場合は不良債権として損益計上することが可能です。
不良債権を損益計上させる場合は、「貸倒損失」と「貸倒引当金」の2つの勘定科目で計上されます。
貸倒損失は、売掛金などの債券を回収することができない期間が、一定で継続されることで計上することが可能です。
しかしながら、貸倒損失は企業が上手く使って脱税対策することも多い勘定科目になります。
貸倒損失を計上するのは少し条件が厳しいですが、しっかりと基準を満たしているのであれば不良債権を損益計上しましょう。
貸倒引当金は、売掛金などの債券を回収する見込みが立っていない状態で、基準を満たせば一定の金額を損益算入させることができます。
不良債権を損益計上させる場合は、「貸倒損失」と「貸倒引当金」の2つを上手く利用しましょう。
減価償却資産を購入することで、損益計上することができます。
原則は減価償却資産を年数に分けて月々に計上しますが、一定の場合は全額を一気に控除させることが可能です。
節税対策のために無理やり減価償却資産を購入する必要はありませんが、将来的に必要になるのであれば早く購入しておくのも選択肢の1つになります。
企業によっては会社や従業員のモチベーションを保つ為に、従業員に還元して節税することも多いです。
従業員には様々な還元方法がありますが、「決算賞与」と「社員旅行」の2つが主に利用されます。
決算賞与に関しては、下記の2つの条件を果たさなければいけません。
・決算期末までに従業員全員に支給額を通知する
・決算期末から1ヶ月以内に支給する
また、決算賞与を損金で計上するには、従業員にだけ支給する必要があります。
役員に決算賞与を支給しても損金計上することはできない為、注意しておきましょう。
使わない事業資産があるのであれば、「売却損」と「廃棄損・除却損」の2つの勘定科目で損益計上させることができます。
事業で使っていない固定資産は税金が重く維持費も掛かるので、それを売却すれば売却損として損金算入させることが可能です。
使用する可能性が低い固定資産は、早く売却しましょう。
また売却だけでなく、廃棄でも損金計上させることができます。
廃棄の注意点ですが、税務調査で証拠の提示を求められる為、領収書などの証拠を残しておくことが大切です。
最後に、企業が決算対策する際の注意点を2つ紹介していきます。
決算対策をするのであれば、これから紹介する2つの注意点を意識しておきましょう。
決算対策は会社にお金を残す為に絶対にやるべき施策ですが、必要以上に行うと脱税になる可能性があります。
実際に決算対策で脱税が発覚して、処分された企業や経営者は少なくありません。
また、会計の知識がなくて、無意識に脱税をしてしまっているケースも多いです。
決算対策をするのであれば、しっかりと事業に関係する範囲内で損益・損金計上する必要があります。
税金を払いたくないと考えている企業は多く、決算対策として無駄にお金を使う経営者は非常に多いですが辞めておきましょう。
決算対策としてお金を使えば支払う税金を少なくすることはできますが、会社に残る資産も減ります。
事業に必要な出費であれば問題ありません。しかしながら、税金を減らす為に無駄遣いをするのは気をつけておきましょう。
この記事では、企業の決算対策について徹底解説しました。
決算対策によって支払う税金は大きく異なり、会社に残る資産も変わってきます。
税金を抑える為の決算対策ですが、この記事では7つ紹介しました。
・支払ってない代金は損益へ
・次年度の費用は年内に支払えば損益計上
・売れない商品は損金計上可能
・不良債権の損益計上
・減価償却資産を購入する
・従業員に還元する
・使わない事業資産を損失計上する
上手く決算対策をすることで、支払う税金を抑えて会社に資産を残すことが可能です。