これからの時代を生き抜くための後継者のグローバル教育とは

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ファミリービジネスを行っている企業では、後継者の教育というのがかなり重要です。

経営者として10年・20年後には、企業を背負って働くことができる人間に育てる必要があり、どういった教育を受けさせれば良いのか悩んでいるかたもおられるのではないでしょうか。

ファミリービジネスの後継者を教育するにあたっては、幼少期から海外の学校に入れることによって将来的に様々なメリットを得ることができます。

そこで本記事では、ファミリービジネスの後継者をなぜ海外の学校に入れるのか、そして得られるメリットについて詳しく解説していきます。

ファミリービジネスの後継者を海外の学校に入れる理由


ファミリービジネスの後継者を海外の学校に入れる理由は、様々なものがあります。

そこで以下では、その中でも特に重要な理由についてみていきましょう。

限界を迎えている日本市場


ファミリービジネス企業のみならず、日本市場というのは現在限界を迎えており成長が見込めないという点があります。

少子高齢化により人口減少が著しく進んでいる日本は、2019年の出生率が約86万人となっており10年間で20万人近く少なくなっているのです。

人口減少が進むことによって、日本経済は徐々に縮小していき日本だけでは企業として成長することができないことが予想されます。

そのため後継者を幼少期から、海外の学校に入れることによって、海外進出を見越した教育を受けさせることは大きなメリットとなるでしょう。

国際的な企業家としての能力を身に付けさせる


日本市場が先細りしていく中で、ファミリービジネス企業は将来的な海外市場への参入や、店舗の海外展開などを検討する必要があります。

幼少期から後継者を海外の学校で教育を受けさせることによって、海外の言語や文化を当たり前のように身に付け、国際的な企業家になる下地を用意することが可能です。

特に日本では学ぶことのできない、言語やその土地特有の文化、様々な国の人間に囲まれて育つことによる柔軟な思考などを身につけることができるのは、後継者として将来的にかなり役に立つでしょう。

海外の学校における教育の内容


後継者を海外の学校に入れることによってどのような教育を受けることができるのでしょうか。

例えば、現在国としても成長の著しいシンガポールでは、幼少期から「バイリンガル」としての教育を受けます。

学校教育はすべて英語で行われるため、入学時点で英語がある程度できていなければ、勉強についていくことはできません。

加えて日本で該当する「国語」の時間で、それぞれの母国語を学んだり、中国語の教育を受けたりします。

そのためシンガポールでは、成人時点で英語が当たり前のように使えることはもちろんのこと、両親の母国語や中国語もある程度意思疎通が出来るレベルまでは達することが可能です。

日本ではよほど特殊なところでなければ、教育全てを英語で行うといったことは、大学に行かなければお目にかかることができません。

ファミリービジネスの後継者として、幼少期からこういった教育を受けていれば、将来的に事業を継ぐ時に、語学の面で不自由することなく海外進出などもしやすくなります。

ファミリービジネスの後継者を海外の学校に入れた具体的事例


ここからは実際に、ファミリービジネスの後継者を幼少期から海外の学校に入れたことによって、事業を受け継いだ時にどのように役に立ったのか具体的な事例と共に紹介していきます。

事例1.U-Gear Group (台湾) 


U-Gear Groupは、ワイヤー・ケーブル製造用の機械を設計製造している会社です。

この会社では後継者を9歳と幼少期の時から、シンガポールへと海外留学させ小中高にあたる期間に教育を受けさせていました。

教育を受けた後継者は、世界中からきた様々な国の人々と交流したことによって、仕事でどのような国に行っても言語・文化といった側面で不自由を感じなかったと語っています。

シンガポールに集まっていた世界各国の学生時代の友人たちを通して、あらゆる国のビジネスの課題や優れた点を共有し知ることができるので、新規事業を始める際にも役に立っているようです。

幼少期からシンガポールという異国で、様々な国から来た人種の人々と交流することで「言語・文化」というビジネスにおいて最も壁になる点を苦にすることがないというのは、事業の国際化を図るにあたっては大きなメリットになります。

新規事業などファミリービジネスの拡大に大きく役立っており、海外の学校に入れることで成功を収めた具体的な例として参考にでき流でしょう。

事例2.BRAUN Maschinenfabrik Gesellschaft m.b.H.(オーストリア)


この会社では後継者をフランスへと留学させ、 教育を受けさせました。

後継者の人は大学まで学問を修めた後、フランスやアメリカといった欧米諸国の航空機会社で営業担当として働き、その後事業を受け継ぎファミリービジネスを拡大していきました。

フランスとアメリカで働いた経験をもとに、 ヨーロッパでは企業の長い歴史がブランド価値へ直結する一方で、アメリカにはそういった歴史が存在しないことに気がつき、自社の歴史を深掘りし、マーケティングへと応用。

その結果後継者が事業を受け継いでから、フランスやアメリカといった国に対して輸出先を拡大し、数百社以上の顧客を獲得するまでに至ったのです。

後継者をフランスへと留学させ、ヨーロッパとアメリカといったビジネスの最前線で実際に働かせることによって、両者の文化や歴史に着目し成功を収めることができたという点で、教育の成功した例として参考にできるでしょう。

事例3.株式会社ハイメックス (日本)


株式会社ハイメックスは、食品包装材料や医薬品包装といった事業を扱っています。

後継者はアメリカに留学した際に、日本市場とアメリカ市場どういった点が違うのかに着目しました。

アメリカ全土は約6時間以内に移動することができるのに着目し、実際に事業を継いだ際には日本から6時間で移動できる範囲の国々と積極的に関係を持とうと考えたそうです。

その結果、後継者が事業を継いでから韓国や中国、台湾と言った日本から6時間以内で移動できる国へビジネスの範囲を広げることに成功。

現在では欧州にもビジネスの範囲を伸ばしております。

アメリカの学校に入ったことによって、グローバル化というのをどの範囲まで広げるのが最適なのかを、実際に肌に感じられたという点で教育に成功したと言えるでしょう。

まとめ 後継者を海外の学校に入れるメリットは様々


今回紹介した事例を見ても、ファミリービジネスの後継者を海外の学校に入れることによって得られるメリットは様々です。

言語や文化といった違いに耐性ができることはもちろんのこと、他国との違いや、実際に海外に行くことによってグローバル化を進められることのできる範囲を肌で知ることができる、といった様々な学びを後継者たちはしています。

そのため、実際に後継者を海外の学校に入れたとしても、その人が学べることはおそらくまた違ったものになってくるでしょう。

もっとも言語や文化といった必要最低限のところは学べるのはもちろんのことです。

それに加えて後継者が、将来的なファミリービジネスのグローバル化などを図る際に有益なことを学べるかは、どれだけ後継者が学ぼうといった姿勢を見せるかによって変わってくると思います。

後継者を幼少期から海外の学校に入れることによって、ファミリービジネス企業として様々なメリットを得ることは間違いないので、日本の教育だけではなく世界の教育を受けさせることも選択肢のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。

 

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