ファミリービジネスマネジメントとは?

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「ファミリービジネスマネジメント」という言葉をご存知でしょうか。日本ではあまり聞き馴染みのない言葉ですが、日本語でいうと「同族経営・オーナー会社による経営の最適化・管理」のことを指しています。

実は日本ではこのファミリービジネスマネジメントの体制をとっている会社が多く、日本企業の約97%がファミリービジネスで行なわれているのが実態です。

「同族経営・オーナー会社による経営の管理・最適化」というと、なんだか古い体質の企業であり時代に取り残されているように思い込んでしまいます。

しかし実はファミリービジネスの体制を取っている企業の業績のほうが、普通の会社よりも優れている場合があるということが、最新の研究結果によっても分かっているのです。

そこで今回はファミリービジネスマネジメントとはそもそも何なのかを中心に、特徴やメリットはどうなっているのかについて解説していきたいと思います。

 

そもそもファミリービジネスマネジメントとは?

 

そもそもファミリービジネスマネジメントとは、創業者の血縁・地縁を中心とした人達によって経営の最適化・管理を行っていくことを指します。
ファミリービジネスでは資本市場に対してあまり興味を抱かずに、創業者一族や親族によって大多数の株式を所有されていることも特徴です。

中小企業が他の諸外国と比較しても、圧倒的に多いといわれている日本では95%以上の企業がファミリービジネスで行なわれているといわれています。

 

ファミリービジネスマネジメントの特徴

 

ここからはファミリービジネスマネジメントの特徴について詳しく解説していきます。

以下でファミリービジネスマネジメントにおける主な特徴をまとめました。

  • 企業ごとに独特の価値観・文化を有している
  • 同族経経営なので意思決定までのスピードが早い
  • 長期的なビジョンで経営を行うことが可能

ファミリービジネスマネジメントでは、企業の株をほとんど親族・血族で所有しているので、必ずしも株主を気にした経営をする必要はありません。
そのため事業における意思決定のスピードが、ファミリーシステムではない会社と比べるとはるかに早いのも特徴です。

ファミリービジネスマネジメントの場合、血縁・親族関係のない株主からの介入を防ぐことができ、流行り廃りに左右されることなく創業時の理念を継続していくことも可能になります。
そのため株主が影響力を持っている会社とは異なり、会社の事業を独自の視点から発展させることができるのも強みなので、独特なビジネスモデルや事業内容を生み出すことができる可能性を秘めているといっていいでしょう。

 

ファミリービジネスマネジメントのメリット

 

以下でファミリービジネスマネジメントのメリットについて解説します。特徴とかぶるところもありますが、とがった特徴はそのまま大きなメリットにもなるのがファミリービジネスマネジメントの特徴です。

同族・家族経営により意思決定が早く会社の方針を決めやすい

ファミリービジネスマネジメントの特徴として、同族・家族による経営が行なわれるという点があります。

そのため普通の会社よりも意思決定をするスピードが早く、チャンスがあればすぐにうごくことが可能です。加えて会社に反する動きをする恐れも少ないので、方針を1度決めればそれに則って事業を進めることもできます。

経営者と株主による意見対立がないので事業をスムーズに進められる

ファミリービジネスマネジメントでは、経営者や家族=株主です。
株主が投資家などの場合、経営者の方針と株主の利益が相反することがあるので経営を思うように進められないということが生じる可能性があります。

経営者と家族が株主であればワンマン経営になるというリスクもありますが、通常経営者の思うように事業を進めることができるでしょう。そのため事業を始めるスピードや、新規事業の開拓などもスムーズに行うことができます。

後継者育成を計画通り行うことが可能

ファミリービジネスマネジメントでは、次世代の経営者は今の経営者の子どもになることがほとんどです。そのため、現経営者は子どもが後継者になることを見越して、長期の育成プランを練ることができます。

新しい経営者の確保や育成にコストをかける必要が無く、ほかの必要なところに労力を割くことができるのは大きなメリットといえるでしょう。

 

ファミリービジネスマネジメントのデメリット

 

ビジネスにおいてメリットが多い側面も有しているファミリービジネスマネジメントですが、デメリットはあるのでしょうか。

以下で解説していきます。

ワンマン経営にはリスクがある

会社の内部だけで解決してしまうワンマン経営だと、客観的な意見や外部の目が届かなくなってしまい、偏った経営になってしまう恐れがあるでしょう。

長く続いてきた同族・家族経営の会社では当たり前の業務・慣例・行事であっても、客観的な視点から見ると異様な光景であるということも多々あります。

こうなってしまうと外部の新しい人材が入りにくいという問題が起きてしまう可能性があり大きなリスクになってしまうでしょう。

多角的・批判的な考えの取締役会がない

ファミリービジネスマネジメントでは、家族や同族でビジネスを進めていくため取締役会はお飾りのものになってしまう恐れがあり、取締役会が形骸化してしまう可能性があります。

そのため多角的な視点や批判的な考えを持っている人が、会社の上位の人にいなくなってしまい経営者のイエスマンで周りが固められる可能性があり注意が必要です。

経営者家族の相続問題が会社にまで派生するリスクも

ファミリービジネスマネジメントは、普段問題が無い間は決断の速さ、意思の統一といった面で優秀ですが、一方で家族間でトラブルが発生した際にはそのトラブルが会社に直結するリスクもあります。

いわゆる「お家騒動」というもので、会社としては大きなリスクであること間違いありません。特に経営者の後継者や相続問題がもたらす会社への影響は非常に大きいです。

家族問題というのはファミリービジネスマネジメントにおいては大きなデメリットといわざるを得ないでしょう。

 

ファミリービジネスマネジメントは強み・弱みが相反する

 

今回紹介してきたようにファミリービジネスマネジメントは、強みと弱みが相反する特徴的なものであるといえるでしょう。

特に家族という強さを持った集合体の力を存分に使うことができるので、ビジネスのスピード・意思の統一といった面で大きなメリットとして働きます。

しかし家族という集合体は、1度トラブルが起きてしまうと深い溝ができてしまう恐れもあり、それが会社に直結してしまう可能性もあるのは大きなデメリットです。

デメリットを上手く回避して対策を行ない、大きなメリットをどのように活かすかがファミリービジネスマネジメントの課題といえるでしょう。

 

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