老舗企業やファミリービジネスの働き方改革行き詰まった老舗企業が切り開いたアイデア5選

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日本の老舗企業は過去に起こった災害や外的要因のピンチをどう乗り越えたのか?

 

世界には老舗と呼ばれる企業が称される事業所が日本の他にEC諸国に多く見られます。
1960年代の文化大革命で成長著しい隣国中国にはありません。
世界人口70憶人のなかで中華系の華僑の皆さんが1/3を占め、イスラム圏の皆さんが1/3がイスラム圏です。
残り1/3がキリスト教圏、仏教圏といわれています。

世界の1/3を占める中華系の華僑の皆さんが経営している事業所では100年以上継続しているところは皆無といわれています。
「成り上がり」「自分が良ければ他人を蹴落とす」「伝統を継承しない」「その場で儲かれば、未来への伝承はしない」など、民族の性質により、老舗の事業者はありません。
EU諸国や日本では数百年続く伝統の事業所が多くあります。

その違いは「商人」「職人」との相違があるようです。
「職人」として看板を背負うようになりために何十年もかかります。
EU諸国・日本は「職人」が活躍する老舗が多く存続しています。

その老舗大国の日本では、関東大震災・1941年~45年の大戦・1970年のオイルショック・2008年のリーマンショック・2011年の東日本大震災・2020年の新型コロナウイルス感染症拡大の渦中にあって、どのようにして苦境を乗り切ってきたか紹介していきます。

創業95年の茶の湯道具・花器他美術品の卸販売店

埼玉県で茶の湯道具・花器他美術品の卸販売を営み、創業95年を積み重ねています。
このインターネットが世間の潮流といわれるなかで、ホームページを有していないのです。
ネットサーフィンをすると、タウンページ・goo地図ページや口コミ情報だけが検索されます。

実際に茶道具店の社長に聞いてみるとホームページはありません。
専門知識豊かな多くの販売員(人財である従業員)がホームページなのですといわれています。

茶道(茶の湯)華道(生け花)は日本の歴史の中で、私たちの心を清め、磨き、洗練させてくれる大切な伝統文化であり、今なお発展するものです。
茶道は千利休から450年も続いています。
点前をする人がいれば、その点前を支えるバックアップをする役割は茶道具屋さんです。

ICT社会に遷移して、忙しく時間に追われるこんな時代だからこそ求められる日本の伝統文化ですが、茶道・華道ともに各流派があり、それぞれに大切なご方針や特色があります。
茶道具屋さんは、各流派の家元、師範、弟子に心をこめてお道具・材料を提供してくれます。

第二次世界大戦での壊滅・オイルショック・東日本大震災を乗り切って95年営業が続いているのです。
インターネット環境がなくとも、通信販売の仕組みがなくとも人脈ネットワークをフル回転させて、苦境を乗り越えて営業しています。

2020年の新型コロナウイルス感染症拡大で、茶道教室・華道教室が休校になりましたが、緊急事態宣言解除後は、ソーシャルディスタンスを保持しながら展示会・講演会・勉強会を開催して、常連客・新規顧客を集いなから営業の継続をしています。100周年が楽しみです。

創業当時の精神を大切にして、従業員を人財として、人脈ネットワークを大切に育むことで、大きな行き詰まり・大ピンチを迎えることなく営業しています。
創業時の理念を貫き通した結果が現在に至っています。

東京都中野区・新宿区に構える創業90年の茶舗

茶舗とは日本茶を売る店のことで、茶商・茶店ともいいます。東京都新宿区・中野区に構える茶舗は自社の茶畑を有していて、収穫した茶葉を厳選してブレンドして販売しています。
茶の湯の世界では「詰元」とも言います。
新茶を収穫して茶壺に詰めて熟成させることから「詰元」と呼ぶ説もあるようです。

90年間の創業時は茶舗でした。その後業務拡大をして茶道具を扱うようになり、現在では東京では有名店の仲間入りをしています。
しかし創業当時の茶舗の理念を守り、第二次世界大戦での壊滅・オイルショック・東日本大震災の苦境を乗り越えて、現在に伝統を継承しています。

本店は中野区にあり、閑静な住宅地に構えています。
新宿区にある営業店舗は、現在の小田急百貨店新宿ハルク店の1階に構えています。
小田急百貨店新宿ハルク店は、旧の新宿本店で50年以上の歴史があります。
その新宿駅まで50年間営業を継続することが立派です。

2020年の新型コロナウイルス感染症による「緊急事態宣言」が発令中は、新宿駅周辺の百貨店・駅ビルが休業しましたので、世間に合わせて休業しました。
「緊急事態宣言」解除後は小田急百貨店の営業に沿いながら営業を再開しました。常連客は待ちかねていました。

茶舗と茶道具店を営む当店は、インターネット上にホームページがありません。
ネットサーフィンすると「小田急百貨店新宿ハルク店1階」でヒットします。
茶舗・茶道具店はインターネットで宣伝をせずとも、人脈ネットワークで営業を継続できるのです。

人脈ネットワークを育てるために、毎年2、4、6、9、11月の5回に渡って展示即売会を開催しています。
また、朝茶事や夜咄の茶会、八十八夜の新茶の時季や11月の壺飾り用の蔵出し茶の時季の催しなど、年間を通じたアイデアのイベントを実施しています。

日本の伝統文化を担う老舗には不景気・自然災害・疫病の苦境に対して人的ネットワークをフル回転させて伝統を継承して、営業しています。

終戦後から営業している東京都北区の製菓舗店

製菓舗店は元来、四季折々の風情を色や形にした生菓子、赤飯など厳選された材料を使用して、手間をかけて美味しい・美しい(今風に表現すると「映える」)和菓子製造して販売することを心掛けて、営業を継続しています。

創業以来の「まん月」は幅広い年齢層から愛顧されている銘菓です。
新鮮な卵の風味を生かした焼皮で、甘みを抑えたこし餡を中置した、懐しい・素朴な味わいの和菓子です。
また、「大納言最中」は大納言小豆を使った、小倉最中です。パリッとした皮の香ばしい風味と、昔ながらの手作りの餡は、飽きのこない甘さと好評です。
創業時の良さを現在に継承しているので、苦境があっても常連客が絶えません。

また、常連客の子供・孫、親戚に知人に口コミで、味の良さ・映えの良さが広がっているので、自然災害があっても営業を継続しています。

また、当和菓子製菓舗はインターネットのホームページがありません。
いままで紹介しました老舗の事業所と同様に人脈ネットワークを中心に営業をしています。

和菓子・赤飯の他に看板商品にカステラがあります。
しっとりしており人気が高い商品です。贈答品とても人気が高い製品になっています。味はプレーンとチョコレート味があります。
時代の流れに順応して和菓子・赤飯から洋菓子を製造して顧客層を拡大することで、苦境を乗り越えながら、購買層を拡大させていく姿勢がうかがえます。

創業当時の精神を基本にすることで、大きな行き詰まり・大ピンチを迎えることなく営業しています。創業時の理念を貫き通した結果が現在に至っています。

戦前から営業している埼玉県東松山市の和菓子店

戦前から営業している埼玉県東松山市駅前の和菓子店は、首都圏の茶会(青山・根津美術館、千代田区の靖国神社、豊島区の護国寺、新宿区の茶道会館、足立区の西新井大師、横浜市の三渓園などある茶室を会場にした予約制の祭事で3千家・他のご流派が主催される)では必ず生菓子を提供しています。

茶会は1つの茶室で300名~1,000名様をお招きします。
会記を見て和菓子店名に「東松山市の該当店」が記載されていると、出席者から歓声があがります。

この老舗の和菓子店では「道明寺の桜餅」に代表されるように「桜餅」が有名です。
もし、店内のディスプレイになくとも、お客様のニーズがあれば、1個から作ってくれるサービス精神があることです。
通常は「売り切れです」「ご予約いただければ…」となりますが、断ることなく提供してくれることが、戦前から現在まで営業を継続している秘訣であります。

生和菓子には「白餡」「こし餡」「求肥」などをバランスよく、季節に応じた・映え甲斐があり和菓子を提供してくれます。
全ての生和菓子の甘さがベタ甘ではなく、上品な甘さに仕上がっています。

戦前からの伝統を継承している老舗の和菓子です。
インターネットのホームページがありません。ネットサーフィンをしても「食べログ」「goo地図」などがヒットするだけです。

人脈ネットワークと、1個の注文でもお客様を大切にする企業理念が、第二次世界大戦での壊滅・オイルショック・東日本大震災などの苦境を乗り越えて、現在に至っています。

東京都北区の『豆大福』が有名な和菓子店の老舗

東京で有名な「豆大福」製造販売をしている和菓子屋の老舗です。
「豆大福」は販売時刻に行かないと購入することができません。1個130円で直径が7cm~8cmある大型の「豆大福」です。
別名「規格外の豆大福」と称されています。午前中は10:30、昼は13:30、夕方は15:30に販売しますが、30分遅れるとショーケースは空っぽになります。

赤羽駅東口の一番街商店街は第2次大戦の敗戦による闇市から始まったといわれています。
その赤羽一番街商店街で昭和34年から営業している和菓子屋の老舗です。
また、いなり寿司も有名で油揚げの濃い味付けがファンのハートをグッと掴んでいます。

お店のキャッチコピーは「大きく」「安く」「美味しく」です。
人気商品は「豆大福」「塩大福」「みたらし団子」「ジャンボおはぎ」「いなり寿司」です。
「豆大福」にはこれでもかと言っても言い切れない「豆」が入っています。ここの「豆大福」は他店の比較になりません。

当和菓子の老舗もインターネットのホームページがありません。
口コミで人気が拡散しています。常連客や一度食べた人のリピート率が高いので、ホームページがいりません。

オイルショック・東日本大震災の苦境を常連客、リピーターのお客様が、和菓子屋の老舗を支えてくれています。
創業時の味覚を伝承して、現在まで代わることなく営業しています。

まとめ

創業者が代替わりをし、没落することなく、3代目~4代目の経営者が伝統を継承している老舗を5件紹介しました。

老舗の事業所の3つの共通点を見てみましょう。

①伝統技術を守り続けながら、新しい製品に活かす。
②本業の技術から離れない。
③自然環境を活かして製品提供をする。

また、インターネットの普及が進んだ現代でも、やはりリアルな人脈や目の前のお客様を大事にすることも大切な因子のようです。

 

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